空気と沈黙と、変われない業界の話
【1週間前、後輩からの相談】
「課長…ちょっと相談していいですか?」
いつも明るい若手の女性社員が、
珍しく神妙な顔で声をかけてきた。
別の現場で、上司からの“からかい”がきつくなっているという話。
「○○ちゃん、俺の嫁になれよ〜」
「今日も色っぽいな〜」
そんな言葉が、毎日、冗談として飛んでくる。
本人は笑って受け流してるけど、正直きつい――。
その言葉の奥に、沈黙と我慢が見えた。
【建設業界に染みついた“悪ノリ文化”】
建設業は、今も男性中心の職場が多い。
「冗談だから」「ノリだから」で片付けられる空気がある。
でもそれ、冗談じゃなくて“圧”だよね。
・上下関係が強い
・被害を言うと「空気を壊した」と思われる
・相談しても「本人に悪気はなかった」で終わる
・“黙って耐える”のがプロみたいな空気
だからこそ、誰も声を上げられない。
【“セクハラ”の定義は本人の感じ方】
・LINEでやたら距離を詰めようとする
・毎朝「今日もかわいいね」と言ってくる
・休憩中にボディタッチがある
・断ると明らかに態度が変わる
どれも、本人が不快ならハラスメントです。
でもその基準が“笑い”でごまかされると、
被害者の感覚だけが取り残されていく。
【じゃあ、どう変えていけばいい?】
▶︎ ① 雰囲気を変える
・軽口にもツッコミを入れて抑止力を
・同調しない、流さない
・「誰が聞いても不快じゃないか?」で判断する
▶︎ ② 声を聞く
・「最近どう?」の一言で、話すきっかけに
・相談窓口だけじゃなく、現場の人間同士での信頼づくりが大事
▶︎ ③ 仕組みを持つ
・匿名で報告できる仕組みをつくる
・現場ごとに“相談できる人”を明確にする
・相談された側が「大げさにしない」姿勢を持つ
【僕の気持ち】
建設業って、本当に人間くさい仕事だと思う。
現場で協力して、汗かいて、怒って、笑って。
でもその“昭和のノリ”が、
時に誰かを深く傷つけてるってことに気づいてない場面も多い。
空気は変えられない。
でも空気をつくってる“俺たち”は変われるはず。
【まとめ】
セクハラって制度の話じゃなくて、“空気”の話だ。
黙っている誰かの声を拾えるか。
そして自分がその空気を変えられる側に立てるか。
「あの時、助けてくれたのは上司だった」
そう言ってもらえる職場でありたいと思う。
▶︎次回予告
「ビットコイン、また上がってるけど…これって“バブル”なのか?」
投資なのか、投機なのか。
そして日本円の価値が下がっていく中で、
“デジタル通貨”の未来について考えてみます。
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